今津のとんどを見に行きました
どの地域でも小正月になると
しめ飾りや不要になったお札などを集めて火にくべ
その年の健康や学業成就などを祈るとんど焼きを行います
上八尾地区では1月13日に行いましたよ
茶輪拠屋ブログより…「とんど」
今津集落のとんどは
隠岐で行われるとんどの中でも勇壮なことで知られています
例年1月15日の開催なのですが
平日のことも多いので
いつか見たいと思いつつ
これまで一度も見に行ったことはありませんでした
早朝からの行事だし寒いし…というのも理由のひとつか
(;'∀')
ところが
今年は強風の影響で開催が日延べとなり20日の日曜日開催に♪
日曜日なら息子たちの弁当作りもない
チャンス到来
・
・
・
ということで
いざ、今津漁港へ♪
火入れは8時頃と伺ったので
私たちは7時半ごろに今津に向かいました
小雨がぽつぽつと落ちるあいにくのお天気でしたが
対岸の集会所前にはすでにたくさんの人だかり
今津漁港のスロープ
その波打ち際には
20mはあろうかと思われる高さに櫓が組み上げられており
茶色い紙袋のようなものを
世話役さんがその櫓にくくりつけていらっしゃいるところでした
![](https://image.jimcdn.com/app/cms/image/transf/dimension=415x10000:format=jpg/path/scd7d2c86db08edc4/image/i84d86352f61fe3d5/version/1548017842/image.jpg)
これは「宝袋」...さいふ...と呼ばれる紙袋
各家庭のしめ飾りやお役目を終えた札などをこの袋の中に詰め
とんどで燃やすのだそうです
![](https://image.jimcdn.com/app/cms/image/transf/dimension=415x10000:format=jpg/path/scd7d2c86db08edc4/image/i2a150036e0e7508e/version/1548017882/image.jpg)
これからとんどに向かうお父さんが
背中にかついでいらっしゃった「宝袋」
この1年の無病息災や豊作豊漁などの願いを込めながら
地域の方が集まって準備されるのだそうですよ
お父さんの背中で揺れる「さいふ」には
夫婦岩と初日の出が描かれておりました
(^^♪
夫婦仲良くこの1年も元気でくらせそうですね
持ち寄られた「さいふ」すべてが櫓にくくりつけられると
そのあとは
大吹き流しと呼ばれるお飾りを…
![](https://image.jimcdn.com/app/cms/image/transf/dimension=415x10000:format=jpg/path/scd7d2c86db08edc4/image/i7b4698817d7fd1a5/version/1548018792/image.jpg)
櫓の上の世話役さんの指示を聞きながら
みなさんでバランスをとりつつ
吹き流しを上に上にとあげていきます
時折櫓の上の世話役さんから
「しゃばれ!しゃばれ!」と檄が飛んでいましたね
笑
しゃばれ、って…
ちゃんと持てってことかな?
(;'∀')
今津の海風にゆられてゆらめく吹き流し
宝船が描かれた大漁祈願の拭き流しです
そうこうしていると
太鼓が鳴り響き
白い下帯姿の男衆「とんど切り」さんたちが登場してきました
![](https://image.jimcdn.com/app/cms/image/transf/dimension=355x10000:format=jpg/path/scd7d2c86db08edc4/image/i9a2f3a4232589071/version/1548017724/image.jpg)
魔よけのご利益があるご神木(根竹)を運ぶという
年はじめの大役を担うたくましい地域の男たちも
さすがにちょこっと寒そうですね
(;´・ω・)
さて
とんど切りさん達がお神酒で体を清め終わると
とんどに火が放たれました
瞬く間に火は櫓をかけのぼり
・
・
・
![](https://image.jimcdn.com/app/cms/image/transf/dimension=506x10000:format=jpg/path/scd7d2c86db08edc4/image/i65b0d4123be84eab/version/1548017946/image.jpg)
支えを外された櫓はご神木ごと
燃えながらゆっくりと今津の海に傾いてゆきました
それを合図にするかのように
燃え盛る櫓を挟んだ対岸それぞれから
とんど切りの男衆たちが
一人またひとりと
厳寒の海に飛び込みます
![](https://image.jimcdn.com/app/cms/image/transf/dimension=596x10000:format=jpg/path/scd7d2c86db08edc4/image/i10f465e69b068254/version/1548018713/image.jpg)
テレビで見たことはあったけれど
この時の衝撃と迫力たるや…
お父さんの泳ぐ姿に応援を送るこども
オトモダチにやんやの歓声を送る若者
あっちだこっちだとカメラを構えて走るカメラマン
神聖な行事ではありますが
大きな歓声とどよめきで一気にこの場も盛り上がりました
![](https://image.jimcdn.com/app/cms/image/transf/dimension=596x10000:format=jpg/path/scd7d2c86db08edc4/image/ic41bc88b7dc3f0f0/version/1548018290/image.jpg)
燃えさかる炎に向かって
下帯姿の男たちが
鈍色の真冬の海を泳いでゆきます
人の領域と神の領域が交錯するかのような一連の営みは
勇壮でもあり
美しくもあり
息を止めるようにして
思わず見入ってしまいました
ちょっと信じられないこの光景
荒行のようなこの行事が
ここでこうして守られ引き継がれてきたことに
改めてこの島の、この地区の、深い魅力を思いました
![](https://image.jimcdn.com/app/cms/image/transf/dimension=412x10000:format=jpg/path/scd7d2c86db08edc4/image/i434484e9111a9fb3/version/1548018232/image.jpg)
まだ大きな炎がゆらめく中
泳ぎ着いた若者たちが
ご神木を海からあげるために櫓を炎の中心から引き離し
結われている竹と櫓をほどいていかれました
例年よりは随分暖かいとはいえ
冷たい雨が降る冬の朝
水の中の男衆の寒さを思うと
思わず身震い
(@_@)
さて
水の中の櫓がゆるみ始め
そろそろご神木がお目見えかという頃だったでしょうかね
急にあたりがざわめきだしました
なんだろう?とふと前方に目をやると
・
・
・
![](https://image.jimcdn.com/app/cms/image/transf/dimension=596x10000:format=jpg/path/scd7d2c86db08edc4/image/ibe4377c08d23dd24/version/1548018625/image.jpg)
まさか!?
まさかまさか!?!?
![](https://image.jimcdn.com/app/cms/image/transf/dimension=596x10000:format=jpg/path/scd7d2c86db08edc4/image/i861b4ed3ab8784c8/version/1548018108/image.jpg)
どうしてそうなるの!?
笑
まったく普通の格好のお父さんが
若者二人に海に引きずり込まれたではないか
( ゚Д゚)
![](https://image.jimcdn.com/app/cms/image/transf/dimension=594x10000:format=jpg/path/scd7d2c86db08edc4/image/id6666ca429ff3e45/version/1548064333/image.jpg)
しばらくして
櫓ほどきに余念がないとんど切りさん達のその横を
お父さんは陸に向かって
じゃぶじゃぶと帰っていかれましたよ
(^-^;
何か意味あるしきたりなのか
それとも単なるいたずらなのか
それはわかりませんでしたが…
毎年恒例なんでしょうかね、確かめたい
笑
来年も見に来なくては
おとうさん
風邪ひかれませんように…
![](https://image.jimcdn.com/app/cms/image/transf/dimension=385x10000:format=jpg/path/scd7d2c86db08edc4/image/iacdd36a3f5331960/version/1548046284/image.jpg)
櫓からご神木がはずれると
男衆はご神木を担いで海から上がり…
集落の中へと走って消えてゆきました
![](https://image.jimcdn.com/app/cms/image/transf/dimension=446x10000:format=jpg/path/scd7d2c86db08edc4/image/ib46aa6e513bf27bd/version/1548064548/image.jpg)
新築などの慶びごとがあったお宅に
縁起物としてこのご神木を届けるのだそうです
今年は該当するお宅が無かったために
町の教育委員会まで運ばれたのだそう
これで今津とんどの行事はほぼおしまいとなりました
この一年の無病息災を祈ろうと思っていたのに
気が付けば
とんど切りさんたちの雄姿に心奪われ
それはもうどこへやら
笑
それでも
1年分の気合だけはしっかりがっつりいただきました
!(^^)!
今津とんどおそるべし
・・・・・・・
勇ましく海に飛び込むとんど切りさんの中には
中学生さんか高校生かと思う青年の姿も見受けられました
もちろん寒そうであり
もちろんちょっと恥ずかしそうでもあったけれど
その姿と表情は
それはもう
立派に地域を支える一人の男のものでした
う~ん
かっこいいではないか
地域の力を思う
そんなひと時でした
…今津とんど…
隠岐の島町指定無形民俗文化財
日時:1月15日
場所:今津漁港