ホタルになって

店長さんのおばさんが亡くなられました

88歳でした

 

通夜が終わり帰り支度の準備をしていると

通夜の部屋の網戸にホタルがとまっているのを

店長さんのお兄さんが発見・・・

 

みんなが玄関から出てきたときも

そのホタルは部屋の中をのぞくかのように

網戸にとまっていたそうですが

そのうち、すうっと飛び立って

空高く消えていったんだそうです

その時は私はホタルを見ることができませんでした

 

今年初のホタルだね~と

みんなでそんなことを言いながら

車が停めてあるところまで歩いていると

 

また

ホタルが1匹・・・

 

私たちの後をついてくるように

車が停めてあるところまで

す~っす~っと

漂うように飛んできて

そのうちまた

す~っ す~っと

点滅しながら

空高く 消えていってしまいました

 

その日 1匹だけのホタル

 

あ~・・・おばさんが

帰っていく私たちを見送ってくれたのかもね、と

その場にいたものみんなが

そう思ってしまうような

 

そんなできごとでした 

 

 

・・・おばさんのこと・・・

 

出会った頃はもう70を過ぎておられましたっけ

 

「小さい頃からよくかわいがってもらった」

店長さんはよく言ってました

結婚したころは2人で

サムライくんが生まれれば3人で

そのうちアバレンボウくんも生まれて4人で

店長さんにつれられて

時々遊びにいきました

 

 

こんな言い方をすると失礼かもしれませんが・・・

ま~るいお顔で

ま~るい体で

ま~るい気持ちで

いつも私たち家族を迎えてくださった・・・

そんなおばさんでした

 

 

 

  

ま~るい 

 

そんなことばがぴったりの

やさしい笑顔が大好きでした

 

お話を聞く名人でしたね

気がつくと

私は自分のことを

ぺらぺらぺらぺら語っていたものです

上手に上手に

お話を聞いてくださる名人でした

 

おばさんとお話していると

おいくつだったっけ??と思うことがよくありました

おしゃれでセンスのいい方でしたね~

 

手塩にかけて育てたでしょうイングリッシュラベンダーをつんできて

ラベンダースティックの作り方を教えてもらいましたっけ

 

刺繍がお好きで

驚くほど繊細なステッチで

絵画のような作品をたくさん作ってらっしゃいました

 

パソコンを勉強しはじめられたのは

おいくつからだったんでしょうか・・・

時々メールをくださることもありました

雛型をつかったかわいいかわいいメールでしたよ

「忙しいでしょうにメールしてごめんね、お返事はいいからね」

と・・・いつも一言添えてある・・・

気遣いを忘れないそんな方でした

 

お花が大好き

お庭にはいつ訪ねていっても季節のお花でいっぱいで・・・

しゃれたカップにおいしい珈琲をたっぷりいれてくださって・・・

ついこの間のような気がします

 

どうぞ安らかに・・・

「天国」とか「あの世」とか

そういいう世界があるのかどうか

それも私にはわかりませんし

そういう表現そのものが

私は好きではないんですけど

 

もしも

そういう世界があるのなら

次の世界で

お好きだったことを

思う存分楽しんでくださったら嬉しいと

心から思います